MANGADORON「不発弾」特別企画
ゆうたレッド・須田信太郎
「不発の対談」〜第一部〜

2013年9月15日。台風接近中の残暑厳しい三軒茶屋にて。
「江戸川ハートブレイカーズ」著者、須田信太郎と、
アルバム「不発弾」を発売する、MANGADORON ゆうたレッド。
お互いの表現作品と、「不発弾」という言葉にかける思いを語ったり。語らなかったり。

聞き手:tama-chan(sealworks)

16:00 三軒茶屋駅前。湿度ハンパない。

共通の知人のライブイベント観戦、その前に今回の企画を!と、気温28℃・湿度83%、台風前の三軒茶屋に集合した三人。
「三茶、久しぶりにきたなー。昔アシスタントやってた頃通ってたんだよね。」「ここ、サミットあったよね?無くなっちゃったんだー。」と、久々三茶トークをしつつ、真っ昼間から飲める居酒屋へ。

16:30 某居酒屋にて。やさしい温度のビールで乾杯。

■ tama-chan (sealworks)
ゆうたレッドの前職の部下。ゆうたレッドの面接を5分でパスして現在に至る。
現在は世田谷クズ組合の組合仲間。
アパレル、音楽、コンテンツ制作、大量飲酒と、
幅広いバイタリティで現在を生きる29歳(2013年9月現在)。
http://www.messmedia.tv/

T: 須田さんとゆうた君は(知り合って)どのくらいなんですか?

S: どれくらいだっけ?花見だよね?

Y: 2012年の4月1日。ハートブレイカーズ記念日。(笑)

T: 記念日!(笑)

S: そうだ、太陽民芸*1のベーシスト、亮太君の紹介だ。「ピーズ*2好きな奴いるんで、一緒に飲みましょう」って言われて、

ちょうど新宿で町山智浩さん主催の花見*3があるから、じゃあ行こうか、って。ピーズ好きに悪い奴はいないから。いや、いるかもしれないな。(笑)

Y: 太陽民芸のライブ観に行って、そのとき亮太君に声かけられて、それまで話したこと無かったんだけど。

S: あれ、まじで?

Y: そうです。彼、シラフだとかなり大人しい。(笑)彼も須田さんの漫画好きで。

彼、須田さんがキングジョーさんと「淀川ハートブレイカーズ」*4やっていた頃に、キングジョーさんがDJするイベントで須田さんを見つけて、声かけたという。

S: そうそう。

Y: で、彼が須田さんのTwitter*5を見てたらフォロワーに俺がいたんだって。俺は普通に「江戸川〜」の須田さんを見つけて、ミーハーでフォローしてたんだけど。

それで、「須田さんと知り合いですか!?俺、時々須田さんと飲むんですよ〜」「おい!是非に紹介して!してください!!」って。そんな経緯があっての、町山さんの花見ですよ。緊張した緊張した。

T: あの日、僕も家族と仲間と行きましたけど、相当べろべろでしたよね。(笑)

■ ゆうたレッド
MANGADORONの歌とギターを担当。
フリーター、正規雇用のサラリーマンを経て現在はフリーランスのサラリーマン。
酒にメチャメチャ弱い、酒好き。
http://mangadoron.com/
https://www.facebook.com/Mangadoron

■ 須田信太郎
大学4年時に「トレンド バスターズ」にて講談社第25回ちばてつや賞大賞受賞。 その後、別冊ヤングマガジンにて「江戸川ハートブレイカーズ」を連載。 「ウルティモスーパースター」「地下鉄のランナー」「やさしい女は何処にいる」、キングジョー氏原作「淀川ハートブレイカーズ」などを発表。 現在は親子愛と友情・勇気の紙芝居「ミナクルマスク」を手がける。
http://manga-suda.com/

Y: だって、会った時には須田さんが既にべろべろだったもん。(笑)追いつくしかねえ!飲むしかねえ!って。

T: 会場ついたら3人くらいのグループが酒瓶持ってすげえヤジ飛ばしてて、「やべえ、花見の最前線に来ちゃったよ」と思いましたもん。(笑)

こんな中で、ゆうた君大丈夫かなー、どこにいるかなーと思ってケータイ鳴らしたら、酒瓶持ってヤジ飛ばしてる一人がケータイ片手に立ち上がって、「もしもーし!」って。(笑)

S: ライブイベントでしょ?なんか、もっと盛り上げなきゃいけないかなーと思ってさ。(笑)こういう感じは今でもある。心配になっちゃうの。(笑)

Y: 町山さん主催だったし、キヨシローの曲演ってたし、酒はあるし、みんなもっと盛り上がればオモロいのにって思ったんですよね。

S: 思った思った。

Y: ライブ始まる前から、相当酔ってたし。記憶が一回飛んで、気がついたら新宿中央公園の便器に突っ伏していて。

T: ひでえ。(笑)

Y: トイレ出たらtama-chanファミリーがいて、娘が俺のこと指差して「なんで人間ってああなっちゃうの??」って。(笑)

T: 6歳の子供に!(笑)

Y: 俺に歌わせろ!って言い出しましたねそういえば俺・・・

S: 二人してステージまで押し掛けたよね。ステージ脇で座って待ってて、歌わせてくれそうだったんだけど、直前に飛び入りでマキタスポーツさんがライブやって盛り上がって、時間切れで。結局出れなかっんだよね。すいません、ギターパンダの時間になっちゃいました〜って。

Y: 記憶が断片的なんすけど。(笑)イベント後にふっと意識が戻ったら、おさまりが付かなくてその辺の弾き語りの若者からギター借りて、ピーズ歌ってたんすよね。曲は確か・・・「ふぬけた」*6だ。

S: あれはいい歌だよね。

Y: で、もう一回意識が朦朧として、次に気がついたときにはカラオケで。 須田さんと亮太君と肩組んでピーズ歌ってた。(笑)

■ 花見の最前線(2012/4/1)





君ら・・・俺らも・・・
ダサかっちょいいんだよ!!

T: 「不発弾」と「江戸川〜」のリンクって、結構考えてたんですか?

Y: や、最初は全く考えていなかったけど・・・狙わなくても、イチイチ影響受けてしまってる感は否めないよね。高校生の時に、強烈に考え方とか開き直り方の刷り込みをされてしまったので。

S: 高校生だったんだ。

Y: です。リアルタイムな連載じゃなくて、単行本で。1巻の表紙がカッコよくて買ったんですけど。

S: 「不発弾」って聞いて、「江戸川」のキャラクターはピンとこなかったんだよね。登場人物を主観としてじゃなくて、世の中的に「不発弾」なのかなと思って。

Y: 俺は主観かなーと思ったんですよ。この人達ってちゃんとしてるし、面白い奴ばっかだと思うんだけど。多分、分かりやすい答えって出せてないんですよ。

ちゃんと働いて、なんなら彼女もできるだろうし、否定するほどのダメな人っていないんだけど、「なんかハマんないんだよな」とか「ホントはこんな生き方したいんだよな」とか、今でも思ってそうな気はするんです。

俺自身、全然満足した気ができなくて、勝手に投影しちゃってるんですけど。ちゃんと生きてるつもりだけど、もっとライブやってちやほやされてみたいし、女子高生に握手求められたいし。「きゃー!ホンモノー!」って。

S: 君はEXILEになりたいんか。(笑)

Y: う。ステージで「チンコ出せー!」って言ったらみんなチンコ出すみたいな、すげースターがいい。(笑)

S: EXILEが「チンコ出せー!」って言ったら出すかなみんな。(笑) ださないかな。大島優子だったら・・・

Y: 出しますね。*7

T: すぐ出します。(笑)*7

Y: でね!でね!バンド始めた当初の対バンが今やフェスの大ステージに出てたり、会社の元同僚が今や経営陣になってたりして、偉いなー正しいよなーサクセスだよなーって思ったり。俺も俺なりに楽しんで満足してるけど、負けてるんかなーって。

S: 「江戸川~」を描いてる当事、俺もストーリーをつくるという事に、悩んでいて・・・よくハリウッド映画なんかによくある「勝って主人公が成長してく」というストーリーにするのは抵抗があって・・・

負けたままの登場人物が、もがいて、カン違いのながら真理らしきもの」を見つけてくストーリー。みたいなものを・・・描きたかったというか・・・というか、結果そういう風になってしまった、と。不発弾という言葉を聞いた時に世間的にみえる「不発弾な人」の意味で「不発弾」なのかと。

Y: 世間的に見える「不発弾」もそうですし、それを自覚してしまった時に自分自身に対して思う「不発弾」もある。世間的に見える「不発弾」の中には美しいほど不細工にもがいている奴らがいて、「ちくしょー!」って。自分がいつも思ってたりするんですよ。「負けてたまるか!」と「くじけそう」のかわりばんこなんですけど。

S: ゆうた君の不発弾は、アイキャンゲットノーサチスファクションの意味の個人的な心の不発弾ね。

Y: それもあります。すごく。

S: 負けっぱなしの中で、ありきたりの答え、例えば当時ね、J-POPの歌詞に、大賛成というわけにはいかず。世界に一つだけの花〜、とかね。

Y: あー、俺、正直、全然賛同できない。

T: 俺もです。

S: あ、そう!?オンリ〜ワン〜ね。気が合うね〜。(笑)でも、あの色々あったマッキーが歌たっときは涙出てきちゃったんだよね。

T: ところが、そうなんす。

Y: うん。あの人が歌うと突然すばらしい。

S: マッキーはあらためては聴かないけど、熱いものを感じる。

T: 基本絶望的な歌ばっかりですからね、あの人の歌は。恋人が出てっちゃったり。(笑)

S: ありきたりな言葉で慰めるんじゃ無くて、負けっぱなしな中で自分なりの答えをだしてる。それが俺の「不発弾」。

Y: 今回のジャケットの件も、いつか須田さんの描くキャラクターとコラボしたいなと思ってたんですけど、ただやみくもにコラボしても、絵にも歌にも失礼だなというのがあって。

パッケージしてリリースするとこまで考えずに、普通に思った事を書いた曲「不発弾」を歌ってみて。ああ、この曲をパッケージするなら、絶対「江戸川〜」だって思ったんです。勝又さんも、浅ちゃんも、新田とか。彼らは絶対、もがいてますよ。今でも、多分。

君ら、俺らも・・・ダサかっちょいいよ!!って。



トム・ウェイツの本物(笑)

Y: 古着屋の奥田さんの話*8とか。美人でクールなオシャレお姉さん。好きなものに囲まれて生きていたいだけなのに、しかるべくして集まってくるオシャレ仲間とのお約束が疎ましい感じも、ちょっと近いものがありますね。「なんかハマんないんだよなー」って。

S: ジャーニッシュゥゥ〜!ってね。あれ、オシャレになじめない俺の世の中に対するアレだよね。(笑)ホント恥ずかしい。(笑)

Y: 「ザンパラまた見ちゃったよ〜」とか、「トム・ウェイツ*9聞きたくなっちゃったー」とか。(笑) うちのバンドにはリアルなトム・ウェイツがいますけど。

S: フクちゃんね。(笑)トム・ウェイツって、トムウェイツ自身を演じてる部分があるんじゃないかと思うんだけど、フクちゃんは本物のトム・ウェイツだよね。(笑)

T: トム・ウェイツの演じる先の、本物ですもんね。(笑)

Y: もう一個言うと、あのスケーターの話*10。彼も全然ハマんないでイライラしてますよね。ノリというものに対して。

T: あのスケーターは勝又さんになりうる感じですよね。

Y: スケーターのほうがすごいかもしれないよ。一人で突っ張れるもん。 勝又さんはその点寂しがり屋ですよ。浅ちゃんがいなかったら、どうなってるんだろう。(笑)

■ トム・ウェイツ(左)

S: 案外フクちゃんがリアル勝又だったりして。(笑)

Y: あー、その傾向はあるかもしれない。(笑)

T: ちょっといい話しだした途端に、脱線しましたね。(笑)

*1 太陽民芸:MANGADORONのドラムス、高橋ケイも所属しているロックンロールバンド。都内を中心に精力的に活動中。
*2 The ピーズ:大木温之、安孫子義一、佐藤シンイチロウからなる日本語3ピースロックバンドの金字塔。
*3 町山智浩さん主催の花見:「町山智浩さんと花見の集い」。ライブとお酒、春のハッピーなイベント。
*4 淀川ハートブレイカーズ:キングジョーこと森本ヨシアキ氏 & 須田信太郎氏によるハートブレイクDJコミック。ゆうたレッドは初回予約のサイン本を所蔵。
*5 須田さんのTwitter:@jimiri。余談で、ゆうたレッドのTwitterは@mangared
*6 「ふぬけた」:The ピーズのアルバム「クズんなってGO」収録。ふぬけて、ちょっとただれた恋の歌。
*7 すぐ出します。:本当に出すと思います。
*8 古着屋の奥田さんの話:「江戸川ハートブレイカーズ」2巻収録、「あの娘はわからない」。日常、いつもの仲間のロジックに「なんかハマんないんだよなー」って思ってる女の子の話。
*9 トム・ウェイツ:「酔いどれ詩人」の異名を持つ、心配になる感じを遥かに通り越したビジュアルの、場末ロックシンガー。
*10 スケーターの話:「江戸川ハートブレイカーズ」2巻収録、「クールジャンピング」。スケート、ランプを純粋に愛し、人とは迎合できなくて唾を吐くスケーターに、勝又さんがある種思い入れを持つ、という話。

「不発の対談」第二部へ続く。

第二部 >>

MANGADORONのロックアルバム「不発弾」

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